世界のサラリーマン時給ハウマッチ!日本は30か国中何位?
さて、前回『世界のサラリーマン平均収入ハウマッチ?1位と日本は2倍以上の開き、日本人は働きすぎじゃない』では、以下のようなことが分かった。
- 日本の年収平均はヨーロッパ勢やアメリカに比べると高くはないが、安くもない。
- 日本人は働きすぎッていうけど、全然そんなことない。
- 財政破綻したギリシャより労働時間は働いていないやんけー!
ということで、少しモンモンとしたが、よくよく考えてみると以下のようにも思う。
- そもそもデータとなっている母集団が国民のうちの何%なのかわからない
- 会社員の割合が少ない国なら、その国の平均としてみるのは少しおかしい
よって、データをすべてうのみにするわけではないのだが、ちょっとおもしろいのでもう少し突っ込んでみてみたいと思う。
日本のサラリーマン平均時給はいくらか?
それでは早速データを見てみよう。
データの出所は、『世界のサラリーマン平均収入ハウマッチ?1位と日本は2倍以上の開き、日本人は働きすぎじゃない』で公開した、世界のサラリーマン平均年収を平均労働時間で割って、1時間あたりの時給に換算しました。
また、平均年収の順位と、平均労働時間の順位を並べましたので、比較してみても面白いと思います。
時給順位 | 年収順位 | 国名 | 収入(万円) | 労働(h) | 時給(円) |
1 | 1 | スイス | 1140 | 1619 | 7041 |
2 | 2 | ノルウェー | 978 | 1418 | 6897 |
3 | 3 | ルクセンブルク | 955 | 1509 | 6328 |
4 | 4 | デンマーク | 888 | 1430 | 6209 |
5 | 6 | アイルランド | 815 | 1529 | 5330 |
6 | 7 | オランダ | 727 | 1384 | 5252 |
7 | 5 | オーストラリア | 841 | 1685 | 4991 |
8 | 9 | ベルギー | 681 | 1572 | 4332 |
9 | 15 | ドイツ | 582 | 1393 | 4178 |
10 | 11 | スウェーデン | 663 | 1621 | 4090 |
11 | 14 | オーストリア | 637 | 1576 | 4041 |
12 | 10 | カナダ | 678 | 1711 | 3962 |
13 | 12 | イギリス | 652 | 1654 | 3941 |
14 | 16 | フランス | 575 | 1479 | 3887 |
15 | 13 | フィンランド | 646 | 1679 | 3847 |
16 | 8 | 米国 | 686 | 1790 | 3832 |
17 | 17 | イタリア | 458 | 1752 | 2614 |
18 | 18 | 日本 | 456 | 1745 | 2613 |
19 | 20 | スペイン | 428 | 1666 | 2569 |
20 | 22 | スロベニア | 350 | 1537 | 2277 |
21 | 19 | イスラエル | 433 | 1928 | 2245 |
22 | 21 | 韓国 | 379 | 2163 | 1752 |
23 | 24 | ポルトガル | 250 | 1691 | 1478 |
24 | 23 | ギリシャ | 293 | 2034 | 1440 |
25 | 25 | エストニア | 212 | 1889 | 1122 |
26 | 26 | スロバキア | 195 | 1785 | 1092 |
27 | 27 | チェコ | 179 | 1784 | 1003 |
28 | 28 | ポーランド | 170 | 1929 | 881 |
29 | 29 | ハンガリー | 160 | 1886 | 848 |
30 | 30 | メキシコ | 112 | 2226 | 503 |
日本は平均年収順位と同位である。結果としては、18位/30か国中となった。
ざっと眺めると、他の国もだいたいではあるが、平均年収の順位と平均時給順位は似たり寄ったり。
つまり、以下のようなことが分かる。
- 人が労働可能な時間には限りがあるから、その中で生活を送っていると労働にさける時間はしょせん大差はない
- 他の国と比較して相対的に年収の高い国の方が時給も高い
まあ2番目は当たり前ですが。。。
効率的に稼いでいる国と効率があまりよくない国
年収は抜群に高いけど労働時間がやけに長い仕事と、年収はまあまあだけど労働時間もそこそこで余裕のある仕事は、あなたならどちらがいいだろうか?
人それぞれだが、先ほどのランキングを見ていると、いくつかの国で平均年収順位と平均時給順位の逆転現象が起きていた。
先ほど、年収が高いほど時給も高い傾向にあるということが分かったが、年収が高くても時間もたくさん働いている国があるということだ。
平均年収の順位よりも平均時給順位の方が明らかに高かった国(つまり効率良く稼げる)としては、ドイツ(年収:15位/時給:9位)。それとは反対に、平均年収の順位よりも、平均時給の方が明らかに低かった国(長時間労働の結果として稼げる)は、アメリカ(年収8位、時給14位)であった。
それでもアメリカは年収ベースでいえばかなり高い方ではある。
日米の時給差はなんだろう?
ここで、日米だけに注目してみたい。平均年収と平均時給については以下の通りだ。
- 日本・・・年収平均456万円、時給平均2613円。
- アメリカ・・・年収平均686万円、時給平均3832円。
さらにここでビッグマック指数を思い出してみる。
ビッグマックの品質は、各国でほぼ同じであることから、その価値も似ているであろう。よって価格は物価水準に連動した値段となっているはずだ。
っていう感じの考え方で、為替の方向感とか、ものの価値としての判断、その国の物価水準なんかを予想できるんじゃないか?っていうわけです。
だが、実際には全く異なる環境や条件の下で同じ商品を販売しているのだから、ビッグマックの価格設定は物価水準としての比較材料にならないよ、というのはちょっと前の記事で書いた通りだ。(詳しくは『世界のビッグマック値段はいくらか?ビッグマック指数なんかで比較しなくても日本は物価が安いよね』を見てほしい。)
イギリスのエコノミストが公表している2017年のビッグマック指数データによれば、アメリカのビッグマックは5.3ドル、日本は380円だ。
よって、ビッグマック指数としては 380÷5.3で1ドル約71円。
となると、現在の1ドル=約112円というのとは大幅に乖離してしまっている。実にビッグマック指数の1.57倍だ。
では、平均時給で見てみると、アメリカ時給3832円÷1.57=2440円。ちょっと日本の平均時給2613円に近付いた。
実際には、平均年収だけみても豊かさは分からないし、税制や社会保障制度も異なるので単純な比較はできないが、特定の国どうして比較する場合には、ビッグマック指数も少し参考になるのかもしれない。
※筆者が勝手に想像しただけで、経済とかきちんと理解している人は「は?」という話かもしれないけど、ご容赦いただきたいです。
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